介護現場の新人指導の現状をまとめた記事を読んでない方は、先に↓記事をご確認くださいましっ
介護業界で新人指導をする時、たくさんの課題があるんだなぁ。
じゃあそれを踏まえて、どんなことをすればいいのかなぁ?
新人指導を行う上で、絶対に準備しておきたいのが、「新人指導チェックリスト」です。
新人さんにとっても、いつ・何を・どういうふうに行うべきかがわかります。
さらに、指導職員も伝える手順や方法、伝え忘れがないかのチェックを行うことができます。
双方にとって、道標となる「新人指導チェックリスト」。
具体的に「新人指導チェックリスト」を作る意義・過程を考えていきましょう!
・「新人指導チェックリスト」を作る意義がわかる!
・「新人指導チェックリスト」を作るときのポイントがわかる!
ぶっちゃけどっかネットに落ちてる指導表をそっくりそのまま使えばいいやん?
それでは、新人職員だけではなく、他の指導職員やひいてはチーム全体のケアにとってよくない状況となってしまいます。
あなたオリジナルのチェックリストを作成することで、自分が介護現場で何を大事にしているか、の再認識ができますよっ。
「新人指導チェックリスト」が大事な理由
そもそも、なんで新人指導チェックリスト(以下:チェックリスト)が大事なんでしょう?
大事な理由は、主に以下の点です。
- 新人職員の理解度が見える
- 新人職員が1人でもできるところを探す
- リーダーだけでなく、他教育担当がどこまで教えたのかがわかる
大事な点を踏まえつつ、あなたオリジナルの新人指導チェックリストもつくってみましょう!
新人職員の理解度が見える
なかなか日々の業務だけで忙しいのに、新人の指導もあって、もっと大変な指導者のみなさん。
ゆっくり指導した業務を振り返る時間も取れないのが現状です。
そこで新人職員さんがチェックリストに記載をしてくれることで、業務の理解度を見ることができます。
また、チェックリストの中で、自己評価と他者評価(指導者評価)を行いましょう。
各自評価を行うことで、下記のことが見えてきます。
そこが新人さんの『強み!』
今後リーダーがチーム運営をしていく上で押さえておきたいポイントです。
新人さんがもっと自信を持っていいところです。
日々の業務を通して、何度も行ってもらうことで自信をつけてもらえるポイントです。
新人さんが「できている」と思っていても、周りからみると「もう少し…」
日々の業務だけではなく、面談等を通して評価を伝えていく必要があります。
再度指導が必要なところです。
お互いに「できていない」と感じていることが重要です。
自己評価と他者評価の分類はわかった!
でも、指導者が一番気をつけるところはどこなのかなぁ?
一番やっかいで気をつけないといけないのが《③ 自己評価は高いが他者評価は低い》ところです。
みなさんのまわりでも、年数だけ増えて全然出来ていない人いますよね…
(そういう人ってその人自身の能力もありますけども、そこは置いといて…)
なかなか指導←→評価ができず、そのままになってしまったのではないでしょうか。
そう考えると、経験年数だけ長くて全然できない人って指導側が作ってしまった可能性もありますよね…。
そういう人を作らないためにも、《③ 自己評価は高いが他者評価は低い》ところは、面談を通してマンツーマンで伝えておかなければいけないポイントといえます。
新人職員が1人でもできるところを探す
ある程度(おおむね1ヶ月程度)でチェックリストが埋まってくるかと思います。
そうすると、新人さんのなかで「自信があり1人でもできるところ」が見えてきます。
もちろん少しフォローは必要かもしれません。
今後独り立ちをするためには、自信があるところはある程度1人でやってもらえる。
指導者は重点的に再教育をするところに注力することができるのです。
リーダーだけでなく、他教育担当がどこまで教えたのかがわかる
チェックリストは新人さんと指導者をつなぐ重要なコミュニケーションツールとなります。
さらに、複数の指導者がいた場合でも大事なツールとなりえます。
チェックリストがなければ、リーダーや他教育担当が「いつ」「何を」「どこまで」教えているのかが全くわかりません。
できているのに教えてしまう二度手間の指導
あれっ!?これ何回も聞いてるっ?全部知ってたの?
できてないのに教えない放置の状態
まぁよく見れてなかったけど、たぶんできてるやろ。知らんけど。
を防ぐために、新人も指導者もチェックシートを見ながら業務を行って効率よくできるようにしましょう!
あなたオリジナルのチェックシートを作ろう!
「介護 新人 指導」と検索をすると、たくさんのチェックリストがでてきます。
もちろんネットで出てきたものを参考に作成しても大丈夫だと思います。
厚労省のHPにも新人教育のチェックリストが出てますしね。
参考:厚生労働省『介護技術に関する評価チェックシート』
でも、そのチーム、ひいてはその施設で理念や大事にしていることはそこで働いている人にしかわかりません。
ぜひ、自分の言葉で、自分の思う優先順位で、チェックシートを作っていきましょう。
そうすることで、指導の質がどんどん上がっていきますよ!
「新人指導チェックリスト」を作成する具体的な手順
では、実際にチェックリストを作成する手順を見ていきましょう。
作成する前に以下の準備をしておくとよりスムーズです。
- 必要な書類はすぐ出せるようにしておく
- 指導者の中でもチェックリストを作っておく
- 他職員にも情報提供、書類を渡しておく
それぞれ解説していきますね。
必要な書類はすぐ出せるようにしておく
先に伝えておきたいのは、新人指導で必要な書類はまとめてデータで管理しておきましょう!
急に入るかもしれない新人さん。
極力データをすぐに見つけられる状態にしておき、印刷するだけでOKな状態にしておきます。
そうすることで、
あー!このデータどこぉ?
あっちもみてこっちもみて…
準備だけで疲れちゃう…
ということがなくなります。
指導者の中でもチェックリストを作っておく
新人指導チェックリストもそうなのですが、準備することや確認しておくことを自分なりにリストに上げておきましょう。
私の場合だと、以下のようなリストを作っていました。
オリエンテーションで自分で、もしくは管理者から説明してもらうようにしておくと、当日とってもスムーズにいきますよ。
・業務で必要なモノを伝える(ボールペン・メモ帳・ごはん・上履き・動きやすい服装など)
・希望休を先に聞いておく(入職日より前にシフトは作って、指導者も調整しておきたい)
・連絡先を聞いておく(伝え忘れたり、急に連絡が必要になる可能性大!)
・ロッカーやタイムカードの準備ができているか?(前日や初日にてんやわんやしなくてすむ)
いろんな準備ができていないと
なんかここの職場、ホントに大丈夫なんだろうか…?
と、いらぬ不信感を与えてしまいますからね。
【重要!】他職員にも情報提供、書類を渡しておく
準備の中で、特に大事なのが
他職員に新人職員が入ること
指導者や指導計画の説明を行うこと
です。
もちろん、新人指導は指導責任者や指導者が中心となり行っていきます。
ですが、数ヶ月〜年間単位で見ると指導から外れて、チームで行っていく必要があります。
そのため、指導しない職員に対しても、新人が入ることだけではなく新人の指導スケジュールをしっかり説明しておくことが必要です。
そうすることで、
・チームで教育することを明示する。
これこれ、こういう手順で指導していくよっ!
もし指導者がいなくて聞かれても、手順に合わせて伝えられるね!
・リーダーや指導者だけでやればいい、を減らせる。
あなた!そういうことも知らないの!
もっとこうするんです!
まだそこわかんないですよ…
あー、まだそこまで伝えてないのにー…
できれば、リーダーだけではなく2〜3名で指導を回し、その指導者の中で新人指導の共通認識を持っておくことが理想ですね。
(なかなか人手不足の中で難しいかもしれませんが)
「新人指導チェックリスト」を作る10の手順
では、実際に新人指導チェックリストを作ってみましょう!
もちろん、今から伝える項目だけではなく、リーダーが思っていることや施設の理念や運営状況によって多少変わってくるかと思いますので、どんどん改定していきましょう。
・新人職員にどうなってほしいか
・どういうところに気を付けてほしいか
をイメージしながら、具体的に書いてみましょう。
・挨拶:例)元気に挨拶ができる・目をみて挨拶ができる
・身だしなみ:例)ネックレスや指輪をつけていない、爪が伸びていない
・マナー:例)ご利用者やご家族に正しい敬語で話している。タメ口やちゃん付けで会話をしていない。
・関わり:例)ご利用者にあわせた声かけができる。苦手な利用者さんを人任せにしない。
・職員との連携:例)指導時メモをとっている。気になった点やわからない点をすぐ相談できる。
・記録:例)指導者への報告・連絡・相談ができる。ご利用者の記録ができる。
・起き上がり:例)寝返り介助ができる。ご利用者に合わせた起き上がり介助ができる。
・立ち上がり:例)ご利用者の身体状況に合わせた立位介助ができる。
・座り方:例)仙骨座りにさせていない。姿勢の崩れに気づくことができる。
・移動:例)誘導時に声かけを行っている。ご利用者のペースに合わせて移動ができる。
・歩行介助:例)基本的な歩行介助ができる。杖歩行のご利用者に対し適切な位置で支えることができている。
例)プライバシーの保護を意識している。
例)ご利用者に合わせた誘導・介助ができる。
例)食事摂取の意義がわかる。
例)各利用者の食事形態や道具がわかる。
例)口腔ケアの意義がわかる。
例)各利用者の口腔ケア方法がわかる。
例)ダブルチェック等のルールに沿って服薬できる。
例)服薬時・その後にご利用者を観察している。
例)安全に衣類の着脱ができる。
例)爪をチェックしている。
例)入浴前の準備を把握できている。
例)湯温の確認やすべり止めマットの使用など、安全に配慮している。
例)居室や共用部を清潔にできる。
例)リネン交換など週間業務を把握している。
たくさん書いても大丈夫!
あれ?多くない?
と思ったそこのあなた。
大丈夫です。実はもっとあります。
各項目の詳細をだいぶ削りました。
改めて自分たちがやっている業務や介助時の注意事項を文字にすると膨大ですよね。
それぐらい頭の中で意識してやっているっ!ということなんですね。
もちろん新人さんからすると、
こんなに多くあるのーっ
と不安にさせちゃうかもしれません。
ですので、必ずチェックシートを渡すときには
・これを指導期間中にすべて覚える必要はない!
・自分が困ったときやどうすればいいかわからなくなったときに振り返るようにしておこう!
・指導者に確認する前や今後独り立ちした時にわからなくなったら見返そう!
と伝えるようにしましょう!
まとめ
・「新人指導チェックリスト」を作る意義がわかる!
・「新人指導チェックリスト」を作るときのポイントがわかる!
自分でオリジナルのチェックリストを作成してみると、いかに毎日の業務が多いのかを実感しますよねぇ。
本当にいつも介護で働いている皆様、おつかれさまですっ。
チェックリストを作成してみることで、今やっている業務、本当にこれでいいのかな?と考えるきっかけにもなりますよっ。
これでリーダーや指導者の皆様が少しでもラクになりますようにっ。
ではではっ
まったねー!