【経験談】介護リーダーの役割って「何もない」を作るんじゃないかって話

どうもどうも!しょーそんです!

2023年度に入りまして、入職されたり、役職が上がったり、転職をしたり。
いろんな出発があるかと思います。

ふと自分がリーダーや管理者になったときのことを思い出しました。

しょーそん
しょーそん

確か管理者になったその日の晩に、ご利用者が意識不明になって救急対応したなぁ…

管理者になった初日、えらいこっちゃや。

っていう思い出がありました。

またその数日後、職員の不適切なケアを発見し、緊急ミーティング…。

しょーそん
しょーそん

なんでこんなに問題ばっかりやねん!!

短い期間でしたが、たくさんの問題が降りかかった時期でした。

ぺーぺーの介護職員から少し毛の生えた管理職まで経験した私、しょーそん
その中で、ふと感じたのが「何もない」ってとっても大事だし、作るのが大変ということでした。

この記事のポイント

・リーダーになりたての介護現場の現状がわかる!
・「何もない」状態ってどういうこと?メリット・デメリットがわかる!
・介護リーダーの業務の中心は『準備』!

少し雑記みたいになってしまいますが、もしリーダー等役職が上がった人がこの記事を読んで、少しでも心に留めてもらえるといいな、と思います。

介護の中で「何もない」を作る必要性:日々下っていく利用者さん・職員

なんで利用者さんは介護施設に入ってきたの?

利用者さんってなんで介護施設に入ってきたのでしょう?
そりゃ「介護を必要としている」からですよね。

じゃあ、なんで介護を必要としているのでしょう?

  • 日常生活の中でできないことが増えた
  • 認知症における行動・心理症状が出てきた など…

前提として、介護でその人と携わる時って


「〇〇さんは一人で食事ができないんですよねー」
「だから食事ケアや介助をしてくださいねー」

というのが出発点ですよね。

〇〇さんは一人で歩けるんやで!逆立ちもできるの!
できることめっちゃあるから介護サービスたくさん頼みますわ!

っていう人、介護施設や介護サービス受けることないですよね(笑)

利用者さんと関係をもつときって基本マイナス(※)からのスタートです。
(※ 「マイナス」という言葉は適切ではないですが、わかりやすくするために使用しています。)

向上心のない職員

自分は、なぁなぁな感じで介護業界に入ってきました。
その中でいろんな方の入職・退職を見てきました。

退職に関しては、スパっとやめる方もいらっしゃれば、最後まで人間関係ドロドロ、恨みつらみを残しながらやめる方まで。

入職はどうでしょう?

誤解のないように、先に言っておきますが、

介護業界にそんなキラキラした目標をもって入ってくるやつ0人説

を唱えているわけではありません。

でも、なかなか最初っから

おらぁ!介護でえらくなりてぇんだ!

って人、みたことないなぁと思います。

特に、人手不足のために派遣や外国人雇用を行うのが、昨今の介護業界の流れです。

介護職員みんなが向上心を持て!というわけではなく、

・そもそもそんな向上心を持ってなくても入れる業界
・入ってからもなんとなく決まったことをやっておけばとりあえずOKな業界

だと思うのです。

「なんとな~く」「とりあえ~ず」できているのは、裏でたくさん汗水鼻水涙を流しながら苦労されているリーダーさんたちのおかげなんですよ。

「良いことを増やす」のではなく、「悪いことを減らす」

船頭次第でどうとでもなれるし、なっちゃう。

「できないこと」をたくさん抱えた利用者さん
なんとな~くでとりあえずお仕事をしてくださる介護職員

こんな介護現場、よくあるというかほぼほぼじゃないのかなぁと思っています。

ただし、それはリーダーや管理職の方でどんなふうにでも変えることができます。
藤岡弘探検隊の藤岡弘、さんのようにみんなを引っ張っていくことができるのです。
(ごめんなさい、世代じゃないのに例えでだしてしまいました)

でもですね。
1介護施設、1ユニットに「1藤岡弘、」っていないですよね。


しょーそん自身、そんなカリスマ性だのリーダーシップだのまったく持ち合わせていませんでした。
「なんとな~く」の介護職員をまとめあげる力なんてもっていません。

「良いことをするな!」という空気

リーダーになったときに

リーダーそん
リーダーそん

このユニットで利用者さんにたくさん良いと思ってもらいたい!

と思っていました。

いろんな改善をすることで、利用者さんの生活が『より良く』なることを目標にしました。
それがリーダーの役目だと思っていました。

ですが、チームとしての環境は最悪でした。
だって「なんとな~く」業務をしていたらよかったのに、

利用者さんのために!!

これいいから!!

どんどん改善していこうぜ!!

と騒ぎ立てるリーダーがでてきたんですよ。


職員からすれば、たまったもんじゃないですよね。

そこで、私は方向転換をしました。

それが「『何もない』を作る」ということでした。

今でも思うのですが、これが果たしてあっていたのかどうかわかりません。
しょーそんの性格やユニットの環境を含めてこうしたにすぎません。
やりかたの一つとしてみていただければ幸いです。

「特に何もないです」を目指した。

いろんな事情を抱えて入所・入居された利用者さん。
それに加えて「老化」というどうしようもないものもあります。
基本はゆるやか(たまにガックリ)下がっていっているイメージでした。
(教育とは正反対のイメージですね)

「リーダー 役割」
「リーダー 目標」
って検索してみたりもしましたが、なかなか自分にヒットせず。
(指導力と創造性、観察力もあるわけないやんけ!)

その中で、私は「その下がり方をもう少しゆるやかにできるようにしたい!」と思いました。
「±0→1」や「2→3」ではなく「-2→-1」「-1→0」を中心に取り組もう、と思ったのです。

老化によってさらにできなくなることは自明だけど、チームでできることをやっていこうよ!
チームでいろいろやってもできなくなったのなら仕方ないっ!

改善を行う出発点を変えることにしました。

「何もない」ことを作るメリット・デメリット

  • 利用者さんのできないことに目を向ける
  • できないことを受け止める
  • もっとできなくなる前にチームでいろんなことをやっていく
  • もっとできなくなってしまったら、チームとしてやったことを評価する

以上のことを思いながらリーダーとしてなんとかしよう!と思っていました。
その中でのメリット・デメリットと感じたところがあります。

メリット:チーム全体で同じ方向を向きやすくなった!

「なんとな~く」で働いていた職員にむけてかなり効果的でした。
「もっといいことしよーぜ!」といっていたときは

職員たち
職員たち

ただでさえ仕事大変なのに、マジでリーダー仕事増やしてきてなんなん?

という空気でした。

しかし、視点や伝え方を変えることで

職員たち
職員たち

これでもっと悪くなったら大変!
そのために利用者さんにこうしよう!

となったわけです。

ただこれにはちょっとした裏があります。
ここでいう「大変!」なのは、介護職員自身であって、利用者さんのことを思ってない方が過半数でした。

ですが、まずは自分のことに置き換えてもらいながら、それを利用者さんのケアへ還元していく。
動機はどうであれ、その方向を向かせるにはかなり効果的でした。

デメリット:「何もない」は評価されづらい。

一方、「何もない」ってとってもつまらなく見えてしまいます

そりゃ、いろいろがんばった結果、「何もない」んですから。

特に、管理者や上司への見せ方が重要です。(ここが私自身できませんでした)

上司からすると

上司
上司

なんや?なんも楽しそうやないな。
いつも後手後手にみえるな。

と、思われる可能性が高いです。

その前に上司に「こういう方針でいきます!」と話しておいたほうがいいですね。

また、リーダーの役割全体にいえることですが、基本「減点方式」で評価されがちです。

介護職員
介護職員

リーダーが時間外で入浴してくれた!+10リーダーポイント!

なんてないですよね。

どちらかというと、

介護職員
介護職員

時間外で入浴するのはリーダーぐらいっしょ。(±0リーダーP)
あー、またなんか問題起こってるわー、リーダー何しとんねん。(-30リーダーP)

と言われることが圧倒的に多いのが現状です。

「何もない」ようにするために必要なことは『準備』

リーダーの頭脳労働の中心はほぼ『準備』の労働

基本減点方式の中で、その減点をどうすれば避けられるか?
それは、『準備』です。

リーダーのお仕事は8割『準備』だと思っていましたし、今でも思います。

  • マニュアルの準備
  • 会議の準備
  • 知識や技術(=経験)の準備

この準備をすることで減点をさせない、もしくは最小限に抑えることができます。

まとめ

この記事のおさらい

・リーダーになりたての介護現場の現状がわかる!
・「何もない」状態ってどういうこと?メリット・デメリットがわかる!
・介護リーダーの業務の中心は『準備』!

指導力やまとめる力なんてない!
自分も含め、そんなリーダー星の数ほどいますよね。

なかなかキラキラしたことやプラスに考えることが苦手…

そういう人がいらっしゃいましたら、この方法で少しでもリーダーのお仕事がラクになりますようにっ

ではでは!
またねー!